2010年の冬,函館に帰ってきた.
帰ったと行っても,東京が嫌になって実家に帰ってきた,というわけではない(そもそも僕の実家は広島にある).「またいつか帰ってきてね」と言ってくれる人が函館にいる,ただそれだけのこと.
函館は空が広い.
僕が7年前,はじめて函館に訪れたときに不思議に思ったのは,空がとても広いということだった.なぜそのように見えるのかは分からない.分からないけれど絵になるので,今回撮った写真には「函館の空」がたくさん写っている.
僕は荒井由美の『ひこうき雲』を口ずさみながら,北海道の雪をふみふみしながら,函館の風景をたくさん撮った.
最後の一枚はパン.
パン屋といえば,いつも思いだすのが,小説家レイモンド・カーヴァーの『ささやかだけれど,役に立つこと』という短編だ.
世の中にはおかしな人がいるもので,気が滅入ったり人生に絶望したときに,あえてとんでもなく絶望的な物語を読んだり鑑賞したりする人がいて,残念なことに僕もその一人だ.僕にとってそのような絶望的な物語は,例えば映画では「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だったり,「リリィ・シュシュのすべて」だったりして,小説ではこの『ささやかだけれど,役に立つこと』がエントリーされる.精神がタフだと思われる方はぜひご一読ください.
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