2009/09/05

夏の旅 2009.08.07 - 2009.08.08


国道311号を抜けて,田辺に向かう.

紀伊山地を越えるのだから,険しい道が多いと予想していたが,道は広く整備されていて走りやすい.しかし,和歌山県と奈良県の県境で道幅が極端に狭くなる.県境を越えるとすぐに本宮に入る.本宮では本宮大社は詣でなかったが,渡瀬温泉に入った.湯は澄んでいて,湯華が浴槽にたっぷりこびりついていた.

温泉から出て,うどんとおにぎりの昼食を摂る.今日の宿はまだ決めていなかったので,ツーリングマップルに載っていた「霧の郷たかはら」に電話をかけ,宿をとった.

国道311号の周辺には熊野古道の王子が点在している.少し寄り道して継桜王子の野中の清水を飲みに山を登る.古来から人々を惹き付け,参詣に駆り立てる熊野という土地と,有象無象に神を視る日本人の不思議さについて少しばかり思いを巡らす.

寄り道をしたせいですっかり日が暮れた.宿は町の中にあるものとばかり思っていたが,国道から離れた高台にあり,日が落ちて行くのを横目で見ながら自転車を押して山を登った(宿のサイトを見ると標高300m).

延々と登った甲斐はあった.息を呑むような光景だった.


宿は新しくきれいで,食事は素朴でおいしかった.食材は主に地産の山菜や川魚で,味付けシンプルで,メインに熊野牛のステーキが出てきた.泊まっている人は若い人が多かった.熊野詣をしているわけではあるまいし,何の目的でこんな辺鄙な場所に泊まりに来るのだろうと不思議に思った.人のことは言えないけれど.

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